絶対加入すべき、節税と老後の資金に小規模企業共済

最終更新日 / 作成日 2015/01/27 / 作成者 資産運用の管理人

個人事業や法人で起業して、利益が月15万円以上になったら、小規模企業共済に絶対加入しましょう。かなりの節税になると同時に、個人事業の廃業や法人の解散時、または退職時の退職金として、老後の資金になります。

利益(または役員報酬)が月15万円もない場合は、節税のメリットは少ないので小規模企業共済はそこまで必要でもありませんが、利益が月15万円以上なら小規模企業共済に加入するとかなりお得になります。

ただし、月15万円以下でも今後増えていきそうな場合は、小規模企業共済に早めに加入しておくとよりお得に節税できます。

小規模企業共済って何?

小さい会社の社長や個人事業主のための退職金制度です。

これだけなら、自分で貯金しておけばいいと思うかもしれませんが、小規模企業共済で退職金を貯めると大きな節税効果が得られます。

小規模企業共済の節税効果

例えば、年240万円(月20万円)くらいの利益が出ていた場合、各種控除を引いて、所得は120万円、そこから所得税と住民税で15%程度の税金が取られるので18万円の税金を払う必要があります。

小規模企業共済で月7万円払うと更に84万円控除されるので、所得は36万円、税金は5万円程度になります。13万円も節税することができます。

21年後に退職したり事業をやめた場合、そのときに1680万円+利息(20%くらい)もらうことができます。

この1680万円+利息にも税金がかかりますが、退職金控除額として約半分の880万円が控除されます。残りの800万円が課税対象になりますが、退職金の場合、課税対象が更に半額になります。つまり400万円が課税対象です。税率はだいたい20%になるので80万円を税金として支払うことになります。

まとめ:年240万円(月20万円)の所得が20年続いた場合

本来18万円x20年=360万円の税金を支払うのが、小規模企業共済を利用することで、5万x20年+80万円=180万円の税金の支払いですみます。トータルで180万円の節税です。

年収が高ければ高いほど節税効果が高くなります。逆に年収が低いと節税効果は少なくなります。

年180万円くらいの利益で小規模企業共済に加入した場合は、節税効果はほとんどないので掛け金は少な目(月2,3万円)で良いです。年120万円くらいになってしまうと、逆に税金を多く払うはめになるので掛け金は月1000円くらいに抑えたほうがいいです。

小規模企業共済の加入時の注意点

小規模企業共済の加入する場合、いくつか注意点があります。

特別な理由なく解約すると、払い込み以下の払い戻しになる

加入してから20年未満に特別な理由なく解約すると、払い込んだ掛け金以下のお金しか戻ってきません。

掛け金の支払いが12ヶ月未満の場合、払い込んだ掛け金は受け取れません。払い込んだ期間が12ヶ月以上240ヶ月未満の場合、払い込んだ掛け金の80%以上〜100%未満を受け取ることができます。

特別な理由とは?

個人事業主の場合は、個人事業を廃業した場合、65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだ場合、死んだ場合です。

法人の場合は、法人を解散した場合、65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだ場合、満65歳以上または病気や怪我のため役員を退任した場合、死んだ場合です。

こういった場合に、小規模企業共済を解約した場合は、払い込み額に利息がついて戻ってきます。

ちなみに法人成りした場合で解約する場合、払込み額と利息が戻ってくる場合と、払込み額だけ戻ってくる場合、そして払い込み額以下になる場合があり、ややこしいです。ただ法人成りの場合、小規模企業共済を引き継ぐこともできるので、基本的には引き継ぎます。

退職金控除額を増やすために、早めに加入する

小規模企業共済の掛金月額は1000円から7万円までの範囲内(500円単位)で自由に選択できます。

収入が月15万円以下の場合、小規模企業共済に加入しても節税効果はほとんど見込まれません。ただし、収入が今後増えそうな場合は、月1000円でもいいので小規模企業共済に加入にておくと退職金控除額を増やすことができるのでお得です。

(退職金-退職所得控除額) × 1/2 = 退職所得の金額

退職金は小規模企業共済に支払った掛け金と利息です。退職所得控除額が大きくなれば、退職所得を少なくなり税金が安くなります。

退職所得控除額の計算
勤続年数20年以下 40万円×勤続年数 (80万円に満たない場合には、80万円)
勤続年数20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

退職所得控除額は勤続年数な長ければ長いほど大きくなります。

ということで、収入が少ない場合でも月1000円でもいいので小規模企業共済に加入にておいたほうがいいです。少ない金額でも加入しておくと、勤続年数が増えていき退職金控除額が増えるので、収入が増えて共済の掛け金を増やした場合でも、退職所得の金額を抑えることができます。

加入期間は+1ヶ月、やめるときはできれば1月

退職金の控除額に使う年数は切り上げになります。加入期間が20年と1ヶ月(または数日でも)とかの場合、退職金控除の期間は21年として計算されより多くの控除を受けることができます。とうことで、できれば加入期間は20年ぴったりとかではなく、20年と1ヶ月とかにしておいたほうがいいです。

やめる月も、できれば1月にしたほうが税金上有利に働きます。退職金はたくさん控除がもらえますが、それでも金額が大きくなるので相当の税金がかかってしまいます。12月とかにやめてしまうと、その年の給料+退職金に税金がかかってしまうので、より多くの税金を払う必要が出てきてしまう可能性があります。

それほど税金の違いは出ないかもしれませんが、できれば1月に事業廃止または退職する形をとったほうがいいと思います。

事業が大きくなりすぎると小規模企業共済に入れない

通常の事業を営んでいる場合で従業員の数が5人を超える場合、小規模企業共済に入れなくなります。従業員の数を増やす前に、小規模企業共済に加入しておく必要があります。一度加入しておけば、従業員の数が増えても続けていくことができます。

小規模企業共済の利回り、それを踏まえた資産運用

年率2%くらいです。

国内債券が7割でその他が3割です。国内債券のうち、日本国債が3割で地方債が2割5分、社債が2割、その他2割5分ぐらいの割合になっています。

リーマン・ショックが発生した時に、利回りが平成19年−1.13%、平成20年−2.88%になりましたが、それ以外でここ10年でマイナスになっていません。

リーマン・ショッククラスの暴落があった時でも、−3%くらいに抑えているので、比較的安全な資産といえるかと思います。

掛け金をいくらにするか 月千円から7万円

あまり無理をする必要はありませんが、掛け金は月7万円でいいと思います。小規模企業共済は安全資産なので、老後に使えるお金とするのがいいと思います。

月7万円なら20年で利回り込みで2000万円くらいにはなっていそうです。30年だと3000万円は超えていそうです。これだけで大半の老後資金を確保できます。あとは年金と適当な年寄り向けのバイトをボケ防止を兼ねてしていれば、のんびり暮らせると思います。

掛け金を途中で減額することができますが、いろいろ手続きが面倒なので、月7万円が無理っぽければ身の丈のあった掛け金にしてください。ただ老後を考えると7万円は確保したいところです。普通に貯金するくらいなら、その分掛け金を増やしたほうが絶対得です。

小規模企業共済の加入の仕方

小規模企業共済の加入の仕方については小規模企業共済を扱っている中小機構のホームページを見るのが一番確実です。

中小機構;小規模企業共済 > 加入手続きの流れ

注意点は、加入時に銀行で掛け金の支払いが必要なことです。その時に忘れずにお金を用意しておきましょう。

掛け金の支払いは月払い、半年払い、年払いを選ぶことができます。掛け金を月7万円にした場合、月払いの場合7万円、半年払いの場合42万円、年払いの場合84万円を銀行等の加入手続きができる金融機関に持っていく必要があります。

私の場合、必要な書類を中小機構から送ってもらって家で記載して、他に必要な書類と42万円(半年払い)を持って口座を持っている銀行へ行って加入手続きをしました。

少し長くなりましたが、個人事業主や会社を始めたばかりの社長さんは節税と老後の資金のために小規模企業共済に加入しましょう! とのことでした。

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