原則はFXは儲かりません。理由はゼロサムゲームだからです。
FXが儲からない理由
手数料と税金
AさんとBさんは100円ずつ出してFXで取引します。FX市場は200円の規模になります。
Aさんが100円得をすると、Bさんが100円損をします。あわせるとゼロになります。この時点でFX市場全体は200円のままで誰も儲けていないことになります。
でも現実には、取引手数料(スプレッド)があります。AさんBさん、ともに1円の手数料を払います。Aさんの得は99円になって、Bさんの損は101円になります。この時点で、FX市場は198円になり、全体で2円の損になります。(FX会社は2円の得をします)
さらに、得をした人に2割の税金を取られます。99円得をした人は実は79円の得になって、101円損をした人は101円の損のままになります。これで、FX市場は 全体で178円になり、全体で22円の損になります。(国が20円の得をします)
以上で、100円だすと、戻ってくる平均値は89円になりましたとさ。
この例は、少し極端ですが、FXの仕組みは同じです。実際は、平均値は98くらいな感じがしますが、それでもFXは分が悪い理由が他にあります。
そして、それが主な理由です。
FXは金持ちが勝つ
FXは金持ちが勝つ仕組みになっています。
さきほどはAさんもBさんも100円ずつ出し合いましたが、今回はAさんが金持ちで1000円出します。Bさんは一般人なので100円です。(ここでは簡略化するため手数料と税金は抜きにします)
一度の対戦でAさんがBさんに勝つ確率は50%です。BさんがAさんに勝つ確率も同じく50%です。
運よくBさんが勝って100円を手に入れました。
Aさん900円 Bさん200円
もう一度対戦して200円をかけます。運よくBさんが勝って200円を手に入れました。
Aさん700円 Bさん400円
もう一度対戦して400円をかけます。運よくBさんが勝って400円を手に入れました。
Aさん300円 Bさん800円
さてBさんが3回連続で勝つ可能性はいくつでしょう。
正解は50% × 50% × 50% = 11.2%
Bさんは11.2%の可能性で資産が4倍になりますが、88.8%の可能性ですっからかんになります。(実際は勝ち負けを繰り返すのですが、ここでは簡略化します)
さて、今回はAさんがBさんに運がよければ勝てるかもしれませんが、もしAさんが1万円もっていたらどうなるでしょう？10万円だったら？
そんな金持ちいるわけねと思うかもしれませんが、いるんです。
投資会社。
個人とは比べ物にならない資金力を持っていて、下手をしても、政府が助けてくれたりします。ちなみに個人が下手をしたら、単なる借金地獄です。
勝っているうちに逃げれば良いじゃんと思うかもしれませんが、大部分の人が、やっているうちにそのタイミングが壊れます。
人間は、勝っているときは全能感に浸って、もっと勝てると思って、さらに突き進みます。負けがこむと、恐怖が支配して思考停止して、奈落の底まで一直線です。サイコロを振れば振るほど、最終的に分が悪くなります。
FXは手数料、税金、資金力、人間心理、全ての面において不利に働きます。
ただし、たまに、FXを100万円から始めて5億になったとかいう人がいます。
9割がた嘘つきか何かだと思いますが、1割くらいは、本当にいそうな気がします。そういう人は、天に恵まれた人です。最初から銀のさじをくわえて生まれてきた人なのです。
まねしたところで、まねできません。歌手の真似をして、歌手になれるかっていうレベルです。
FXで唯一儲かる方法
FXで唯一儲かる方法は、一度サイコロを振ったら、もう振らないことです。
例えばドル円が82円だったころ、私は一度だけ円安にかけてサイコロを振りました。結果、1年以上も大損を抱える羽目になりました。
サイコロを振りなおすわけでもなく、吐き気がしながらそのまま放置しました。そして、ドル円が100円になった時に売りました。
唯一儲かる方法は、
一度サイコロを振ったら振り直さない。
ただし、サイコロを振るときは、最悪の場合でも耐えられるように振る。
私の場合、1ドル82円のこのレバレッジ3倍くらいでドルを買いました。1ドル55円くらいになったら、資金が底をつく水準です。1ドル75円になったときは、最悪60円を切るかもしれないと思いましたが、結局75円から反発しました。
サイコロを振るときに最悪期を乗り越えられる程度のレバレッジで振る。
例えば今だと1ドル100円ぐらいですが、最悪の円高と、最悪の円安を想像してみると、1ドル70円が最悪の円高、1ドル140円が最悪の円安。どっちに転ぶかなんて、正直さっぱりわかりません。
円安にかける場合はレバレッジ3倍、円高にかける場合はレバレッジ2倍ぐらいが最悪期を乗越えられるレバレッジだと思います。ただ、1ついえることは、今の水準は、円安でもなければ、円高でもない、非常に中途半端な水準にいると思います。
中途半端なため、長期的な視野で見ると、非常に分が悪いです。円高に賭けて、円安になった場合、戻ってくるのに非常に長い時間がかかります。
円安や円高が声高に叫ばれ始めたときに、最悪の事態を想定してサイコロを振るべきです。(円安だと超連呼されたときに、最悪の円安に耐えられるように円高に向かってサイコロを振る)
つまり、今はサイコロを振る時期ではありません。ドル円が130円、または90円になるまで、FXは寝てましょう。
追記：
スワップ利益目的は？という人がいるかもしれませんが、スワップはFXでは誤差の範囲です。
それはそれは簡単にスワップ金利なんて損の前で吹き飛びます。