個人年金で毎年1万円節税しよう ← 実は危険だよ!

最終更新日 / 作成日 2013/12/07 / 作成者 資産運用の管理人

年金というと悪いイメージしかありませんが、個人年金だけは違います。個人年金に加入して毎年6万円預けると、所得税と住民税が合計1万円ぐらい減ります。預けた6万円も少しの利子とともに60歳になると戻ってきます。

資産運用も重要ですが、こういった税金を減らす運用も重要です。(最後まで読むと、個人年金の危険度がわかります)

個人年金の納める金額と年間の節税効果

所得税
年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等と同額
20,000円超、40,000円以下 支払保険料等÷2+10,000円
40,000円超、80,000円以下 支払保険料等÷4+20,000円
80,000円超 一律40,000円

住民税
年間の支払保険料等 控除額
12,000円以下 支払保険料等と同額
12,000円超、32,000円以下 支払保険料等÷2+6,000円
32,000円超、56,000円以下 支払保険料等÷4+14,000円
56,000円超 一律28,000円

所得税の上限は年間80,000円ですが、住民税の上限は56000円です。年間8万円を超える個人年金を納めるのは無駄以外の何者でもありません。(8万円を超えるような場合、その分、国内債券インデックを買ったほうが利率が良いです)

56000円までだと所得税と住民税もフルに控除されますが、それ以上の部分(56000円超、80,000円以下)は所得税のみしか控除されません。

実際の毎年の節税効果は、所得税20%、住民税10%で計算すると、

月額3000円の場合、(36000/2+10000)*20% + (36000/4+14000)*10% = 7,700円
月額4000円の場合、(48000/4+20000)*20% + (48000/4+14000)*10% = 9,000円
月額5000円の場合、(60000/4+20000)*20% + 28000*10% = 9,800円
月額6000円の場合、(72000/4+20000)*20% + 28000*10% = 10,400円
月額7000円以上の場合、40000*20% + 28000*10% = 10,800円

加入できる個人年金の月額料金

ここまで書いて気づいたのですが、加入できる個人年金は最低でも月額5000円からになっていました。月額3000円とか月額4000円は、たぶん存在しません。月額5000円以上が候補になります。

しかし、さらに調べていると年齢制限を見つけました。年齢によって、最低月額支払いが変わります。

いろいろな保険会社が個人年金を出しているのですが、だいたいの保険会社が受け取り期間が10年、年間受け取り金額は30万円というのが最低金額になっています。(受け取り期間が5年のものもありますが、5年タイプは税務署が認めていないので節税効果はありません)

つまり最低でも300万円貯めないといけません。実際には利息があるので280万円くらい貯めれば最低条件に届きます。

これを月額5000円で割ってみると、47年かかります。。。年金の受け取りを65歳からにしても18歳から申し込まないといけないので、現実的ではありません。。

月額6000円にすると、300万円まで39年かかる。。
60歳の場合、21歳からの申し込み。
65歳の場合、26歳からの申し込み。
70歳の場合、31歳からの申し込み。

月額7000円にすると、300万円まで34年かかる。。
60歳の場合、26歳からの申し込み。
65歳の場合、31歳からの申し込み。
70歳の場合、36歳からの申し込み。

月額8000円にすると、300万円まで30年かかる。。
60歳の場合、30歳からの申し込み。
65歳の場合、35歳からの申し込み。
70歳の場合、40歳からの申し込み。

月額9000円にすると、300万円まで26年かかる。。
60歳の場合、34歳からの申し込み。
65歳の場合、39歳からの申し込み。
70歳の場合、44歳からの申し込み。

疲れたのでこれくらいにするとして、実際には利息が変わると思うので、プラス1,2年くらい遅れて申し込んでも大丈夫な場合があると思います。詳しくは、各保険会社に電話して聞くしかありません。

人によると思うのですが、私の場合、70歳から年金をもらおうとは思いません。。下手しないでも死んでんじゃない?みたいな感じがして払うのにげんなりします。ということでせめて65歳から受け取るのが精神的にベターだと思います。

月額6000円以上で、できるだけ月額料金が低い中で年齢制限にひっかからない個人年金を選びましょう。

節税できる個人年金の条件

個人年金なら何でも節税できるというわけではなく、以下の4つの条件を全て満たす必要があります。

・年金受取人が契約者またはその配偶者のいずれかであること
・年金受取人は被保険者と同一人であること
・保険料払込期間が10年以上であること(一時払いは対象外)
・年金の種類が確定年金や有期年金であるときは、年金受取開始が60歳以降で、かつ年金受取期間が10年以上であること。

要約すると、自分が契約をして、自分に対して年金をかけて、年金をもらう人は自分。10年以上継続して払い込みをする、そして受け取り期間は10年以上。

自分が契約して、妻に対して保険をかけて、年金をもらう人は妻。ただし、この場合、年金を受け取るときに贈与税がかかります。

一般的に自分が契約して自分に対して年金をかけて、年金をもらう人も自分というのが普通です。

個人年金には確定年金、保証期間付有期年金、保証期間付終身年金、夫婦年金という種類がありますが、終身年金や夫婦年金は生きている間年金をもらえるやつです。確定年金と有期年金は一定期間だけ年金をもらえるやつです。確定年金と有期年金の場合は10年以上の受け取り期間を指定する必要があります。

確定年金が、今の主流だと思います。

個人年金のリスク、インフレ

個人年金の利息は契約時に確定します。そのため、インフレが起きても対応できません。個人年金は20年、30年くらいのあいだお金を預けっぱなしになります。

300万円の個人年金が利息がついて30年後に330万円になりました。300万円の家がインフレで30年後に500万円になりました。個人年金の利息で30万円もらったけど、家を変えないヨヨ。みたいになります。

ただ、このインフレリスクは、少し大げさで、実際のところはあまり気にしなくて良いと思います。多少、インフレで痛い目に合う可能性があるけど、節税効果でカバーしてくれます。

変動年金という利息がインフレに対応して変化するやつがありますが、これは、節税できる個人年金に当てはまらないので考慮外です。

固定金利だけど、予定を上回って運用益が出た場合は、少し配当してくるそうです。ぜんぜんあてにできないけど。

本当に怖いリスクは下記です・・

個人年金の本当のリスク、超低金利!!

Viva 超低金利!!!

個人年金の利息は契約時に確定するといいましたが、その契約時の利息は今現在の利息をもとにしています。

で、ですね、計算してみたんです。30歳から個人年金に入って、60歳まで月額8000円を払ったときの金利を。

総支払額が2,880,000円
一時金として受け取った場合は2,977,418円

実際には10年間にわたって受け取らなければならないのですが、ここでは簡略化して一時金にします。

3%の上昇になります。つまり、毎月8000円を払って30年後に、利息が3%になります。年率じゃないですよ。合計でですよ!!!!! 複利計算でいったい年率はいくらなんだと計算したところ、0.2%!!!!

おぎゃーーー。

30年分の節税効果が30万円として、簡略的に再計算してみます。
2,977,418円(一時金)+30万円 = 3,277,418円

いろいろ複利計算シートで計算する。

節税効果含めて、年率0.83% 。。

節税効果も2012年に減額されてまして、今後再度減額される可能性があります。そもそも、この節税は生命保険会社への優遇措置で存在するんです。

何十年も預けて、アホみたいに低い金利0.2%しかもらえない。。節税効果を含めても、0.8%ちょっと。

上記はアフラックの個人年金の結果です。

明治安田生命に変えてみました。(月額1万円のみのシミュレーション)
すると、年率0.63%、節税効果を含めると1.09%になります。

東京海上日動あんしん生命に変えてみました。(月額1万円のみのシミュレーション)
一括払いの記述がなかったのですが、年率0.7%くらいになります。節税効果を含めると1.16%くらい。

ちなみに、月額1万円でアフラックにかけてみましたが、たいして変わりませんでした。安田生命は月額1万円からのプランしかありませんが、東京海上日動あんしん生命は月額5000円からのがあります。

個人年金の最後のリスク、倒産リスク

保険会社はつぶれないかというと、リーマンショックでアメリカの大手保険会社AIGがつぶれかかりました。20,30年も預ける場合、保険会社の1つや2つがつぶれてもあまりおかしくない気がします。

保険会社がつぶれたときに預けたお金が全額なくなるかというと、そうではなく9割は責任準備金という制度で戻ってくるそうです。ただし、その制度は義務ではないらしいので、各保険会社にしっかり確認しておくと良いですよ。

ソルベンシーマージン比率が高いところが倒産しにくいらしいです。東京海上日動あんしん生命保険なんかは上位に入っています。(東京海上日動あんしん生命保険は、生命保険契約者保護機構とうのに加入していて、万一つぶれても9割が返ってくるそうです)

正直言って、インフレやら超低金利やら倒産リスクやらを考えると、まだ仕組預金のほうが良いんじゃない?みたいになります。

個人年金に対する結論

超低金利時代なので、個人年金の契約に急ぐ必要はありません。節税効果があっても、それ以上に金利が低いのです。それでも個人年金に入りたい場合は、東京海上日動あんしん生命保険をお勧めします。

金利(戻り率)が低い中でも東京海上日動あんしん生命保険は、他より金利が良くて、最低保険料も5000円から始められて、会社の基盤がしっかりしているのでお勧めです。

時期によっては他の保険会社のほうが有利になる場合があると思うので、各人しっかり調べたほうが良いですよ。特に金利(戻り率は)が各保険会社によってかなり異なります。

ネットは宣伝目的で根拠のないランキングやら評判やらが多いので、自分でしっかり会社のホームページにいって比較するのが重要です。面倒なら、とりあえず金利も低いことだし、そのまま数年何もしないで良いと思います。

とりあえず、私は東京海上日動あんしん生命保険に今度電話をかけて、月額5000円か月額6000円のプランがあったら、節税目的で加入してみようと思います。

追記:結局たいして節税にならないし利息も悪いので個人年金への加入はやめました。

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