見た目の金利が良い仕組み預金(円仕組預金)のメリットとデメリット

最終更新日 / 作成日 2013/12/23 / 作成者 資産運用の管理人

仕組み預金は定期預金よりも利息が良いメリットがある反面、銀行側が預金の延長や解約を強制されるというデメリットがあります。

仕組み預金は、円仕組預金、新型定期預金などと呼ばれたりもします。ざっくり評価すると、割に合わないので仕組み預金はオススメではありません。

今回は円建ての仕組み預金を対象にしています。外貨を組み合わせた非常に複雑怪奇な仕組み預金がありますが、基本的な仕組みは円建ての仕組み預金と同じなので、オススメではありません。

仕組み預金のメリットは金利が良いこと

仕組み預金のメリットは通常の定期預金よりも金利が良いことです。例えば定期預金の金利が0.1%だったとすると、仕組み預金の金利は0.2%くらいになります。

仕組み預金の金利は二種類から選ぶことができ、毎年同じ金利になる金利と、年々金利が上がっていく金利があります。

例えば、毎年同じ金利になる金利の場合は金利が0.2%になるとすると、年々金利が上がっていく金利は1年目は0.10%、2年目は0.15%、3年目は0.20%、4年目は0.25%、5年目は0.30%で満期になる感じになっています。

一見すると、普通に定期預金をするよりも、仕組み預金の方が良く見えますが、でっかいデメリットがいくつもあります。

仕組み預金のデメリットは解約できないことと強制解約があること

仕組み預金は原則解約できない、解約できた場合も高額の解約費用がかかる

仕組み預金は原則自分から途中で解約することができません。銀行が止む終えないと認めた場合にだけ解約することはできますが、利息がもらえないどころか元本割れします。

元本の5%〜20%程度の解約費用がかかります。つまり、100万円を仕組み預金で預けて途中で解約する必要が出た場合、戻ってくるのは80万円から95万円になります。最悪です。

定期預金は中途解約した場合、もらえる利息が少なくなりますが、元本割とかは起こすことはありません。

定期預金の金利が上がった場合でも仕組み預金の金利は変わらない

仕組み預金の金利は契約時に支払われる金利が決まります。たとえ、それから定期預金の金利が上昇しても仕組み預金の金利は契約時の金利と同じです。

定期預金の金利が良くなったからといって、仕組み預金の解約費用は超高額な為、仕組み預金を解約して定期預金に乗り換えることもできません。

本人が死んだ時も解約費用がかかる

仕組み預金をした本人が何かしらの理由で亡くなった場合も高額の解約費用がかかります。

仕組み預金で金利が0.1%くらい上がったところで、何かしらの理由で中途解約をする必要が出た場合、金利差の50倍〜200倍の損失を被ります。

定期預金の金利が変わらないまたは低下した場合、銀行側が強制解約できる

仕組み預金の満期は基本的に5年から10年程度ですが、定期預金の金利の変動によって銀行側が強制的に解約することができます。

簡単に言うと、定期預金の金利が高くなった場合、銀行側は仕組み預金の継続します。定期預金の金利が同じか低くなった場合、銀行側は仕組み預金の強制解約します。

例えば定期預金の金利が0.1%の場合、仕組み預金の金利が0.2%で申し込みます。

もし1年後に定期預金の金利が0.3%になった場合、銀行側は仕組み預金の金利0.2%で契約を続けます。もし2年後、3年後と定期預金の金利がどんどん上昇して1%になった場合でも、仕組み預金の金利は0.2%のままです。解約しようにも高額な解約費用がかかるため実質的に解約できません。

逆に、1年後に定期預金の金利が上昇せずに0.1%以下の場合、銀行側が強制的に仕組み預金を解約します。銀行側は金利が上昇した場合にだけ仕組み預金を継続して、上昇しない場合は途中で解約してきます。(この場合の解約費用はかかりません)

銀行側から強制解約されてしまったら、また手間暇かけて利息の良い預金先を探すことになります。面倒です。

仕組み預金は目先の微々たる金利差のために、将来の大きな金利上昇のメリットを捨てることになります。

仕組み預金は自分では中途解約もできず、相手に運用期間を全て握られて、将来の金利上昇のメリットも失うことになるので、資産運用の中でも最悪の部類の運用方法です。

定期預金の中には金利の良いものがある

仕組み預金は平均的な定期預金よりは金利が少し良いのですが、定期預金の中には仕組み預金のデメリットなしに、仕組み預金と同等、もしくはそれ以上の金利を出している定期預金があります。

銀行と信用金庫の利息の比較: 普通預金は楽天銀行、定期預金は夢ふくらむ支店がベスト

わざわざ仕組み預金なんていう見た目が良くて中身がクソな預金なんかにお金を預けずに、普通に金利の良い定期預金を探して預金した方が良いです。

各銀行の仕組み預金の利息

仕組み預金はデメリットの方が巨大すぎて、全くお勧めできない運用方法ですが、参考までに各銀行の仕組み預金の利息を掲載しておきます。

住信SBIネット銀行の仕組み預金 プレーオフ

仕組み預金 住信SBIネット銀行 プレーオフ
最長10年フラット型 0.23%
最長10年ステップアップ型 0.10%~0.55%

最初の1年は利息がもらえる、その後、残りの9年間は毎年住信SBIネット銀行が延長するかどうか判断する。すぐに解約した場合、元本の5%のペナルティ。金利が上がっている時に解約すると、最大20%のペナルティが課せられる可能性がある。

新生銀行の仕組み預金

新生銀行の仕組み預金
パワーステップアップ預金2 最長10年 0.10%~0.12%

最初の5年は利息がもらえる、その後残りの5年は新生銀行が毎年延長するかどうかを判断する。すぐに解約した場合、元本の4%のペナルティ。金利が上がっていた場合、最大16%のペナルティが課せられる可能性がある。仕組み預金なのに金利が低すぎ。

楽天銀行の仕組み預金 楽天エクステ預金

楽天銀行の仕組み預金 楽天エクステ預金
楽天エクステ預金(フラット) 最長10年 0.13%
楽天エクステ預金(ステップアップ) 最長10年 0.01%~0.14%

最初の1年は利息がもらえる、その後、残りの9年間は毎年楽天銀行が延長するかどうか判断する。すぐに解約した場合、元本の6%のペナルティ。金利が上がっていた場合、最大25%のペナルティが課せられる可能性がある。仕組み預金なのに金利が低すぎ。

3社の仕組み預金のうち解約した場合、一番ペナルティが多く課されるのは楽天の仕組み預金でした。

仕組み預金に対する結論

最悪です。やめましょう。仕組み預金のほうが0.1%くらい利率が良いですが、デメリットのほうが非常に大きいです。

余剰資金だから仕組み預金にしても大丈夫という問題ではありません。この超低金利の時代に仕組み預金をしてしまうということは、今後あるであろう金利の上昇時にその金利を得ることができなくなります。

超低金利時代だろうが、高金利時代であろうが、年利0.1%程度の微々たるメリットのために、将来得られる可能性のある利息数パーセントを不意にすることになります。ちょこちょこ儲けて、いつか大損するパターンです。

すでに、仕組み預金をしてしまった人、あきらめてください。途中でやめると、アホみたいな違約金を取られてしまいます。預けた銀行が延長しないのを祈ってください。

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