カブドットコム証券は、株の約定金額が50万円以下の売買手数料が安く、さらにシニアや女性、NISA口座を開く場合、売買手数料が少し割引されます。IPOの取扱い銘柄はネット証券で3番目に多いので、IPOを狙っている場合は、カブドットコム証券は抑えておきたいネット証券です。
投資信託を多額にする場合は、保有残高でもらえるポイント還元が証券会社で一番高いです。多額の投資信託をする場合にもオススメの証券会社です。外国債券と外貨建MMFの為替手数料もネット証券で最安値になっています。
カブドットコム証券の目次
カブドットコム証券のおすすめポイント
- 株の約定金額が50万円以下なら売買手数料が最安値水準
- さらに売買手数料がシニア割引、女子割、NISA割などで少し割引
- IPO銘柄の取引数がネット証券で三番目に多い
- 多額の投資信託をすると証券会社の中で最高の還元率
- 外国債券と外貨建MMFの為替手数料が最安値
カブドットコム証券で行える取引と手数料
大半のネット証券と同じように、カブドットコム証券も口座維持手数料(口座管理料/年間費)は無料です。カブドットコム証券の口座を開いて放置したとしても、お金はかかりません。株などの売買をした時に初めて、売買手数料などがかかります。
ここでカブドットコム証券での取引でかかる手数料をまとめていきます。
カブドットコム証券の現物取引の売買手数料
株の取引には現物取引と信用取引があります。株を売買する場合、普通は現物取引を指します。
他の証券会社だとデイトレーダー向けに1日定額コースなどがありますが、カブドットコムでは取引毎の売買手数料だけになります。
約定代金 | 売買手数料 |
---|---|
10万円以下 | 90円 |
10万円超〜20万円以下 | 180円 |
20万円超〜50万円以下 | 250円 |
50万円超 | 約定金額×0.09%+90円(上限3690円) |
その他の約定代金と手数料の例: 60万円(手数料630円)、100万円(手数料990円)、200万円(手数料1890円)、400万円(手数料3690円)
カブドットコム証券の現物株の売買手数料は約定代金(売買代金)が50万円以下なら、ネット証券でも最安値に近い手数料ですが、50万円を超えると少し高くなります。
カブドットコム証券には売買手数料が安くなる割引がいくつかあります。割引は併用することができます。例えば60歳以上の女性だと売買手数料が5%引きになります。
女子割: 女性だと1%割引
シニア割引: 50歳以上60歳未満は2%割引、60歳以上だと4%割引
NISA割: NISAを開設すると1年目1%、その後1年ごとに1%増えていき5年目の5%が割引最大値
株主優待割引: 複雑なので、一般的な例で説明します。
カブッドトコム証券の株を2100株持っている場合(350円×2100株=73万5000円)
保有期間半年以内1.5%〜保有期間が長くなるにつれて割引率が上昇して保有期間2年を超えると4.5%(割引最大値)
株主推進割引: 下記の株を買うと売買手数料が割引になります。
・カブドットコム証券:50%
・三菱UFJフィナンシャル・グループ、中京銀行、ジャックス、池田泉州HD:10%
割引を適用できる人の場合でも、割引率は数パーセント程度なので、手数料への影響は少ないです。結局のところ、約定代金が50万円以下ならネット証券でも最安値に近い手数料、50万円を超えると他のネット証券と比較して少し高い手数料になります。
各ネット証券の売買手数料は詳細は下記にまとめているので、売買手数料の安いネット証券を探している場合は参考にしてみてください。
株の現物取引の売買手数料が安いネット証券と総合証券の比較一覧
カブドットコム証券の信用取引の売買手数料
信用取引は証券会社の口座に預けているお金以上に、株を売買するための取引方法です。カブドットコム証券の信用取引の売買手数料は下記になります。
約定代金 | 売買手数料 |
---|---|
10万円以下 | 99円 |
10万円超〜20万円以下 | 179円 |
20万円超〜30万円以下 | 249円 |
30万円超〜40万円以下 | 349円 |
40万円超〜50万円以下 | 449円 |
50万円超〜60万円以下 | 539円 |
60万円超〜70万円以下 | 629円 |
70万円超〜80万円以下 | 719円 |
80万円超〜100万円以下 | 760円 |
100万円超〜200万円以下 | 940円 |
200万円超〜500万円以下 | 1100円 |
500万円以下 | 1200円 |
カブドットコム証券の信用取引の売買手数料は少し高いです。
基本的には上記の手数料が適用されるのですが、信用取引の資金量が1千万円くらいあると各種割引を受けることができます。
前営業日の建玉残高または前営業日の新規建て約定代金合計が、3,000万円以上5,000万円未満の場合5%割引、5,000万円以上6,000万円未満の場合30%割引、6,000万円以上の場合は売買手数料0円になります。
さらに資金量が億単位になると、買方金利が少し割安になるのですが、説明しても意味ないのでここでは無視します。
IPO(新規上場株式)の取引と売買手数料
IPO銘柄の購入時の手数料はどの証券会社でも無料です。カブドットコム証券でも購入時の手数料無料になっています。IPO銘柄の売却時は通常の現物株の売買手数料が適用されます。
各証券でのIPO取引の違いは、IPO銘柄の取り扱い数と抽選の仕方になります。
IPOの取り扱い銘柄数が多ければ多いほど、IPOの応募をすることができます。この取り扱い銘柄数はネット証券によってだいぶ数に差があります。
一番取り扱い数が多いのがSBI証券、二番目にマネックス証券、三番目にカブドットコム証券が来ます。楽天証券や松井証券などもIPOを扱っていますが、数はそんなにありません。他のネット証券だとさらに数は少ないです。
IPOを狙っている場合は、SBI証券とマネックス証券とカブドットコム証券の口座を抑えるのが基本です。おまけに、楽天証券を入れるくらいです。
IPOの抽選はSBI証券だけ外れれば外れるほど当たる確率が高くなる方式を取っていますが、マネックス証券やカブドットコム証券、楽天証券などの大半のネット証券は完全公平の抽選になっています。
完全公平の場合、お金をたくさん持っていようが持っていまいが、当たる確率はみんな同じです。前回当たっても外れても、これから申し込むIPOの抽選にも影響されません。とりあえず、数撃ちゃそのうち当たる抽選方式になっています。
単元未満株(プチ株)の取引と売買手数料
カブドットコム証券では、単元未満株(プチ株)の取引を行うことができます。
売買手数料は約定代金2万円まで100円、以降約定代金1万円増加まで毎に67円加算されます。
単元未満株はSBI証券やマネックス証券でもやっていますが、SBI証券(最低手数料50円)とマネックス証券(最低手数料48円)の単元未満株の売買手数料は約定代金の0.5%になります。
例えば、約定代金が1万円だと、カブドットコム証券なら100円、SBI証券とマネックス証券なら50円で済みます。約定代金が3万円だと、カブドットコム証券なら234円、SBI証券とマネックス証券なら150円になります。
カブドットコム証券の単元未満株(プチ株)の売買手数料は少し高くなっています。
カブドットコム証券での投資信託と手数料
たいていのネット証券と同様に、カブドットコム証券でも投資信託の売買をすることができます。
投資信託取扱い本数 820程度
販売手数料無料のノーロード投資信託の取扱い本数 450程度
カブドットコム証券で取り扱っている投資信託の本数は、ネット証券の中では中規模クラスです。
ネット証券で投資信託の取り扱い本数のトップは取扱投信本数2200本程のSBI証券、楽天証券は2100本程度、マネックス証券は1600本程度になります。
カブドットコム証券の投資信託の最大の強みは、投資信託の残高で年率最大0.24%相当の投信ポイントをもらうことができることです。
投信ポイント
投資信託保有残高が3000万円未満:投資信託保有残高100万円ごとに月1ポイント
投資信託保有残高が3000万円以上:投資信託保有残高100万円ごとに月2ポイント
100ポイント貯めると1万円と交換できます。
簡単に説明すると、投資信託保有残高が3000万円未満なら年率1.2%相当のキャッシュバックをもらうことができます。3000万円以上なら年率2.4%相当のキャッシュバックを得られます。
他のネット証券でも投資信託保有残高に応じてポイントをもらうことができますが、SBI証券と同様にカブドットコム証券のポイントが最も割が良いです。
SBI証券の場合は0.12%、投資信託保有残高が1000万円を超えると0.24%相当のキャッシュバックがもらえます。マネックス証券だと年率0.08%相当のポイントがもらえます。楽天証券だと年率0.048%のポイントがもらえます。
ただしカブドットコム証券だと、100万円毎にポイントが増えることがネックです。SBI証券の場合は100万円毎ではなく、単純に保有残高×利率でポイント計算されます。投資信託をたくさんする場合に、カブドットコム証券を検討してみてください。
このほかの特徴としては、カブドットコム証券の投資信託は「ワンコイン積立」で最低500円から毎月積立が可能になっています。他のネット証券だと月1000円からです。カブドットコム証券とSBI証券だけが最低500円から積立をすることができます。
投資信託の選び方から、各ネット証券ごとの投資信託のポイントバックやキャッシュバックの詳細は下記にまとめているので参考にしてみてください。
外国債券と外貨建MMF
外国債券や外貨建MMFを買いたい場合は、カブドットコム証券が最強です。理由は、為替手数料が他のネット証券と比べて安いことと、取扱い銘柄数も最多だからです。
外国債券とは何なのかというと、主に外国の国債を買うことです。例えば米国債を買って、その金利をもらいます。米国債を買うのに、米ドルにする必要がありますが、この時に為替手数料がかかります。
外国債券や外貨建MMFの購入手数料はかかりませんが、購入額に対して0.2%くらいの為替手数料がかかります。この為替手数料がネット証券の中でカブドットコム証券が一番やすいです。
外貨建MMFとは、安全性の高い外国債券等を集めた投資信託みたいなものです。これにも為替手数料がかかり、カブドットコム証券の為替手数料が一番安くなっています。
米国株などの外国株はカブドットコム証券では扱っていません。数年前にカブドットコム証券でも米国株を取り扱いを開始するという情報が出ていましたが、いつの間にやら立ち消えしました。
米国株などの外国株を売買したい場合は、外国株の取引ができて手数料も安いSBI証券とマネックス証券がおすすめです。
参考:米国株や海外ETFが売買できるネット証券の比較とNISA口座と外国税額控除と為替差益
カブドットコム証券のその他の取引
カブドットコム証券では上記の取引の他に、先物・オプション取引、取引所CFD(株365)などの取引がありますが、初心者向けではなかったり、リスクが大きかったりするので、現物取引や投資信託になどで資産運用するのに慣れてから、興味があれば勉強してみてください。
カブドットコム証券の口座開設にかかる時間と開設の仕方
カブドットコム証券の口座開設は、インターネット経由での申し込み方法(インターネットでらくらく電子口座開設)と、郵送での申し込み方法があります。
本人確認書類の画像をパソコンでアップロードできる場合は、インターネット経由での申し込み方法を選びます。その方が早く取引を開始することができます。申し込みから3営業日程度で、株式投資や投資信託などの取引ができるようになります。
本人確認書類の画像をアップロードするのが難しそうな場合は、郵送での申し込み方法を選びます。この場合、最短で6営業日で、実際の取引ができるようになります。
必要な本人確認書類の組み合わせ
・個人番号カードを持っている場合
個人番号カードがあれば、それだけで本人確認書類はOKです。個人番号カードは俗に言うマイナンバーというやつです。通知カードを受け取って、個人番号カードの発行手続きをすると数ヶ月後に受け取ることができます。発行にはやたらと時間がかかります。
・個人番号カードを持っていない場合
個人番号カードの発行をしていない場合は通知カードが必要になります。通知カードに加えて、運転免許証、住民基本台帳カード(写真付)、各種福祉手帳(写真付)のいずれかひとつが必要です。
運転免許証、住民基本台帳カード(写真付)、各種福祉手帳(写真付)のいずれかを持っていない場合は、住民票の写しまたは住民票の記載事項証明書が必要になります。加えて、健康保険証、印鑑登録証明書、各種年金手帳のいずれかを本人確認書類が必要です。
カブドットコム証券への入金方法とその手数料
カブドットコム証券の自分の口座への入金方法は4種類あります。
ゆうゆう決済(入金): ネット振込、口座振込、口座振替(自動引落)、口座振替(リアルタイム口座振替)
このうち手っ取り早くて一般的な入金方法は、ネット振込と口座振込です。口座振替(自動引落)は投資信託の積立をする場合に便利な入金方法です。口座振替(リアルタイム口座振替)は信用取引をする場合に便利な入金方法です。
1. ネット振込での入金方法(無料)
ネット振込だと入金が即時反映されます。ただし、カブドットコム証券のネット振込対応銀行は少ないです。
入金手数料が無料のネット振込
三菱東京UFJ銀行(ネット振込EDI)、じぶん銀行(じぶん銀行決済)、ゆうちょ銀行(連動振替決済サービス)
入金手数料が有料のネット振込
ジャパンネット銀行 50円、三井住友銀行 100円、みずほ銀行 振込金額3万円未満 100円 振込金額3万円以上 200円
他のネット証券だと、住信SBI証券、楽天銀行、ジャパンネット銀行などなど、その他大手銀行のネット振込は無料になっているのですが、カブドットコム証券のネット振込は若干使い勝手が悪くなっています。
2. 口座振込での入金方法(ゆうちょ銀行なら手数料無料!)
三菱東京UFJ銀行、ゆうちょ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行にカブドットコム証券の入金口座があります。
ここでの注目はゆうちょ銀行です。ゆうちょATMを使ったゆうちょ口座間送金は手数料無料です。つまり、自分のゆうちょ銀こうの口座から、カブドットコム証券のゆうちょ口座へ送金すれば、入金手数料がかかりません。ただし、ATM送金料金が無料となる期間は2016年9月30日までになっています。
三井住友銀行や三菱東京UFJ銀行に自分の口座を持っていれば、キャッシュカードでカブドットコム証券の口座へ振り込むと、振込手数料は100円(税込108円)で済みます。みずほ銀行だけ税込216円かかります。
銀行振込は当日、または翌日に反映されます。
カブドット証券の口座名義と異なる名義の銀行口座からの振込すると、入金ができないので気をつけてください。自分の銀行口座からカブドット証券の自分の口座のみ入金することができます。
3. 口座振替(自動引落)での入金方法(無料)
口座振替(自動引落)は入金手数料無料です。毎月一定額を自動で入金することができます。投資信託の積立をする場合に便利な入金方法です。普通に入金することもできます(ただし反映まで2〜3日かかる)。株の購入時に不足金があれば、不足金を自動的に入金することもできます。
いくつか利用シーンはありますが、基本的に投資信託の積立をする場合の入金方法です。
口座振替(自動引落)に対応している銀行は、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、スルガ銀行、大垣共立銀行、ジャパンネット銀行、ゆうちょ銀行になります。
三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、ジャパンネット銀行の場合はネットで口座振替(自動引落)の初期設定ができますが、それ以外は金融機関は書面での手続きが必要になります。
4. 口座振替(リアルタイム口座振替)での入金(無料)
口座振替(リアルタイム口座振替)は信用取引をする場合に便利な入金方法です。
信用取引をしていて、不意の追証を防ぐことができます。先物・オプション取引で証拠金不足が発生した時も、リアルタイム口座振替で自動的に不足金額を入金してくれます。自動引落で残高不足エラーが出た場合も、リアルタイム口座振替で残高不足にならないように自動的に不足分を入金してくれます。
リアルタイム口座振替は上級者用の入金方法なので、なんだかよくわからない場合、気にせず無視しておけばいいです。
口座振替(リアルタイム口座振替)に対応している銀行は三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行になります。手数料無料で使えます。
カブドットコム証券からの出金方法とその手数料
カブドットコム証券からの出金方法は、カブドットコム証券に登録した自分の銀行口座へ出金することができます。
三菱東京UFJ銀行、中京銀行、イオン銀行、じぶん銀行、池田泉州銀行の口座へは出金手数料無料ですが、それ以外の銀行だと出金手数料が100円かかります。
ネット証券の大半は全ての銀行への出金手数料は無料なのが一般的ですが、カブドットコム証券の場合は一部の銀行を除いて100円の手数料がかかります。
ただし、カブドットコム証券だとゆうちょ銀行以外なら即日出金に対応しています。
即日出金対応できる受付時間
三菱東京UFJ銀行 カブドットコム支店
0:00~18:30までの受付
三菱東京UFJ銀行 その他の支店
0:00~15:30までの受付
上記とゆうちょ銀行以外の金融機関
0:00~13:30までの受付
ゆうちょ銀行だけ、即日出金に対応していません。
ゆうちょ銀行口座への出金
0:00~16:00までの受付 翌営業日に送金
16:00~24:00までの受付 翌々営業日に送金
他のネット証券だと、松井証券が手数料300円でゆうちょ銀行以外への即日出金に対応しています。楽天証券は楽天銀行にだけ即日出金に対応していて手数料も0円になります。
おすすめネット証券ランキング
公式サイト → SBI証券
No.2 楽天証券
普通預金の利率は普通0.001%なので100倍です。金利を0.1%にするために、楽天証券の口座を作ることをおすすめします。
No.3 マネックス証券
マネックス証券だとNISA口座での外国株の売買手数料が無料になります。