米国株や海外ETFが売買できるネット証券の比較とNISA口座と外国税額控除と為替差益

最終更新日 / 作成日 2015/01/29 / 作成者 資産運用の管理人

ここでは米国株や海外ETF等の外国株が売買できるネット証券の比較と、外国株の売買におけるNISA口座の使い道、外国税額控除と為替差益についてまとめて説明していきます。

便宜上、ここでは米国株、中国株、海外ETFをまとめて外国株と記載します。

外国株、特に米国株を持つことの優位性

5年、10年で日本がどうこうなるとは思えませんが、20年、30年と考えると、日本だけに資産を置いておくのは非常にヤバイ気がします。

増え続ける借金と日本人の人口減。20年、30年という長期で見ると日本の資産(主に株)価値は下落していくと思います。土地も移民政策でもしない限り、都市部を除いて下落するんじゃないかと。たぶん都市部でも上昇はしないと思います。

日本だけに資産を置いておくのはリスクが高いです。そういった場合に外国株を持っておくとリスク分散になります。

ただし、外国株を持つのは良いことだとしても、どうやって、そして何の外国株を持てば良いのかわからないと思います。ここでは、まず最初に外国株を持つための全体像を説明した後に、外国株を持つための下地をわかりやすく説明していきます。

外国株を持つための全体像

外国株には、東証に上場していて日本円で買える外国株と、米ドルなどの外貨で購入する外国株(東証未上場)があります。

東証に上場している外国株の種類は相当少ないので、大半の個別株、例えばGoogle株(アルファベット株)等は外貨で購入する外国株になります。東証に上場している外国株で使えるのは、海外ETFのSPDR S&P500 ETF(1557)とiシェアーズくらいです。

東証に上場している外国株は基本的にどのネット証券でも国内株式と同じように売買できます。売買手数料も国内株式の現物の売買手数料が適用されます。カブドットコム証券の場合は、海外ETFのSPDR S&P500 ETF(1557)はフリーETFに指定されているので売買手数料が無料になります。

外貨で購入する外国株の場合、購入できるネット証券は限られてきます。安い売買手数料で、まともに外国株を売買できるのはマネックス証券、SBI証券、楽天証券ぐらいです。

まずは、外国株を購入する場合、避けては通れない外国税額控除(避けて通ると損する)について説明します。為替差益も一緒に説明します。

そのあとに、外国株を売買するときの売買手数料や為替手数料、外国株の売買におけるNISA口座や、外国税額控除ができない例外的な存在について詳しく説明していきます。

二重課税を取り戻すための外国税額控除、配当が最大10%UP!(平均5%UP)

外国株の多くは年4回、配当金や分配金をもらうことができます。外国株によって利回りは変わってくるのですが、だいたい年利2%から3%です。

典型的な例で説明していきます。(復興特別所得税の額などの細かい数字は無視します)

米国株を100万円分購入すと、配当は年3万円もらえます。ただし、まず最初に米国で10%の税金が取られます。3万円が2万7000円になります。そして、日本でさらに20%の税金が取られます。手元に残るのは2万1600円になります。

外国税額控除と言うのを使えば、米国で支払った10%の税金、つまり3000円を取り戻すことができます。ただし、限度額などがあるので金持ちだと全額、普通程度の所得だと半額程度、所得が少ないとほとんど帰ってきません。

公式
その年分の所得税額×その年分の国外所得総額÷その年分の所得総額=所得税の外国税額控除限度額

少しわかりやすい式
外国税額控除限度額 = 米国の税金を引かれた後の配当金 × (その年の所得税/その年の所得総額)

その年の所得総額は、給与所得控除を引いた後の所得です。注意したいのは、社会保険料控除や基礎控除、扶養控除などは入らないことです。配当で受け取ったお金は、外国の税金を支払う前の額を加算します。

その年の所得税は、控除後の所得に所得税率を適用した時の所得税になります。

鍵になるのは、その年の所得税です。この額が多ければ多いほど、戻ってくる外国税額控除限度額も多くなります。

普通の給料をもらっている人で、外国で収めた税金の半分が戻ってくるくらいです。年収800万ぐらいになると外国(米国)で収めた税金の大半は戻ってきます。逆に所得税をほとんど収めていない場合は、5分の1くらいです。所得税を全く払っていない場合は、ゼロです。

課税所得195万円以下 所得税率5% 控除額0円
課税所得195万円超〜330万円以下 所得税率10% 控除額97,500円
課税所得330万円超〜695万円以下 所得税率20% 控除額427,500円

課税所得は、その年の所得総額と同じです。年収800万円くらいだと、給与所得控除後の額が600万円、課税所得は450万円くらい。所得税は47万円くらい。47/600 = 0.78 → 78%

米国だと10%の税金を支払っているので、その10%のうち78%が所得税で戻ってきます。

さらに、所得税で取り戻せなかった分は、住民税からも取り戻せます。

県民税(都民税)の外国税額控除限度額 = 所得税の外国税額控除限度額×12%
市民税(区民税)の外国税額控除限度額 = 所得税の外国税額控除限度額×18%

つまり78%×1.3 = 101.4%

年収800万円ある独身者だと外国税額控除で全額戻ってきます。

ちなみにNISA口座で外国株を買うと、NISA口座内では外国税額控除を受けることができません。米国株の配当はアメリカで10%の税金が取られて日本で20%の税金が取られますが、NISA口座ではアメリカで10%の税金が取られますが日本では税金が取られません。

NISA口座自体が税金という考えが適用されないので、税金の控除になる外国税額控除も適用されない特殊ルールになっています。

外国税額控除の注意点、扶養控除と国民健康保険料

外国税額控除をするには外国株でもらった配当金や分配金を確定申告する必要があります。

配当金や分配金を確定申告すると、その分、所得が増えます。所得が増えると、扶養控除(38万円の壁)から外れたり、社会保険の扶養(130万円)から外れたり、国民健康保険料が高くなったりします。

ここで問題になってくる主な人たちは、専業主婦・主夫(パート込み)、そして個人事業主です。

例えば、年間の配当が10万円だった場合、それを確定申告すると所得も10万円増えます。個人事業主なら、国民健康保険料が所得が増えた分だけ、ざっくり1割増えます。外国税額控除をしても、それ以上に国民健康保険料が増えて、無意味どころかマイナスになります。

専業主婦・主夫(パート込み)の場合、ちゃんと計算しないと扶養控除が使えなる可能性が出てきます。

社会保険の扶養からも外れる可能性はだいぶ低いのですが、運が悪いと国民健康保険に加入しなくてはならなくなる可能性も少ないですがあります。

専業主婦・主夫(パート込み)、そして個人事業主の場合は、外国税額控除はよくよく計算してから手を出さないと痛い目を見るので注意してください。

会社勤めをしている社会人などは特に気にしなくても大丈夫です。普通に外国税額控除を使いましょう。

為替差損益は基本的に大丈夫、ただし余分な外貨はあまり持たないこと

東証に上場していて日本円で買える外国株の場合は関係ないのですが、米ドルなどの外貨で購入する外国株(東証未上場)を購入する場合、為替差損益が発生します。

FXをしていると分かると思いますが、年間で為替差益が出ると、確定申告して税金を納めなくてはいけません。

外貨で買う外国株の場合はどうなのかというと、“原則”為替差益が出ても確定申告をする必要はありません。というのも、外国株の売買で支払う税金の中に為替差益の税金も含まれているからです。

特定口座の源泉徴収ありにしておけば、為替差益の税金も含めて、自動的に計算して税金を払っておいてくれます。楽チンです。

特定口座で取引していなかったり、特定口座でも源泉徴収なしとかにしていると、複雑な税金の計算で地獄を見ます。くれぐれも、外貨で買う外国株の売買をする場合は、特定口座の源泉徴収ありで取引をしましょう! (外貨で購入する外国株の売買ができるマネックス証券、SBI証券、楽天証券ともに特定口座に対応しています)

“原則”為替差益が出ても確定申告をする必要はないのですが、例外もあります。外国株を買おうと思って、日本円を外貨にして、そのままほったらかした場合です。

米国株を買おうと思って、1ドル100円の時に100万円を1万ドルにします。なんか買う気がなくなって、そのまま放置します。するとそのうちドルが1ドル110円になりました。気分が乗ったので、1万ドルで米国株を買います。

放置せずにさっさと米国株を買えば確定申告しないといけない為替差益は出てきませんが、放置したケースでは確定申告しないといけない為替差益が10万円出てきます。

余分な外貨があっても少額なら誰も文句を言ってこないと思いますが、余分な外貨をたくさん放置した場合、放置した期間の為替差損益でやばいことになります。

余分な外貨はあまり持たない、持ったとしても長期間持たないようにしましょう!

外国株が売買できるネット証券の売買手数料と為替手数料

外貨で購入する外国株を売買できるネット証券は、マネックス証券、SBI証券、楽天証券の3つです。カブドットコム証券は日本円で購入出来る米国ETF(SPDR S&P500 ETF 1557)の売買手数料が無料なので、カブドットコム証券も特別に加えます。

外貨で購入する外国株を買うには、まず最初に日本円を外貨にする必要があります。この時に為替手数料がかかります。そして、外貨で外国株を買った時に売買手数料がかかります。NISA口座の場合、購入時の売買手数料が無料になる場合もあります。次に、外国株を売るときも売買手数料がかかります。最後に外貨を日本円に戻す時に為替手数料がかかります。

ちなみに、外貨で購入する外国株の売買ができるマネックス証券、SBI証券、楽天証券ともに特定口座に対応しています。SBI証券は特定口座の対応が少し遅かったですが、SBI証券も今では対応しています。

外国株は特定口座の源泉ありで取引しないと、とんでもなく面倒なことになるので、特定口座の源泉ありは必須です!

SBI証券、外国株の売買手数料最安&為替手数料も最安、NISA口座なら海外ETFのみ購入時の手数料無料、中国株ならSBI証券がおすすめ

SBI証券の評価と始め方の詳細

米国株・米国ETFの手数料

売買手数料 約定代金の0.45%、最低手数料5米ドル、最大手数料20米ドル
為替手数料 1ドルあたり0.25円 (ただし住信SBI銀行を使うことで1ドルあたり0.15円、外貨特BUY日なら外貨購入時の為替手数料が無料、さらにSBIFXで1万ドル単位で現引すれば1ドルあたり0.01円)

SBI証券は以前は売買手数料は25ドルで固定担っていましたが、大幅な値下げになり、マネックス証券と同じく業界最安手数料になりました。

マネックス証券も売買手数料が安いのですが、SBI証券の場合、為替手数料が安くなるというメリットがあります。

為替手数料は通常1ドル当たり0.25円かかりますが、SBI証券経由で住信SBI銀行を利用することで、為替手数料が1ドルあたり0.15円になります。外貨特BUY日と言う毎月25日から3営業日の間に、外貨を買うと為替手数料無料になります。これを利用することで、為替手数料無料で外国株を購入することができます。

さらに、SBI FXの現引を利用することで、1ドルあたり0.01円程度の為替手数料にすることもできます。ただし、この方法は1万ドル単位で行う必要があります。

SBI証券は米国株の売買手数料と為替手数料が一番安いことからかなりオススメです。

中国株の手数料

売買手数料 約定額の0.26% (最低47香港ドル、上限手数料470香港ドル)
為替手数料 1香港ドルあたり0.15円 (ただし住信SBI銀行を使うことで1香港ドルあたり0.07円、外貨特BUY日なら外貨購入時の為替手数料が無料、SBIFXの現引には対応していません)

中国株の取引の場合、SBI証券が一番良いです。売買手数料はマネックス証券と比べると、最低手数料が低く設定されているので売買手数料を少し安くすることができます。さらに重要なのは為替手数料です。

SBI証券の場合は住信SBI銀行を使うことで1香港ドルあたり0.07円、外貨特BUY日を利用することで為替手数料は無料になります。(1香港ドルは15円くらいです)

通常の為替手数料が1香港ドル(約15円)あたり0.15円です。SBI証券なら半額以下にできるのでかなり有利です。

中国株を100万円買う場合、他の証券会社だと為替手数料が1万円くらいかかりますが、SBI証券なら為替手数料は4700円くらいですみます。これは大きな違いになります。住信SBIネット銀行の外貨特BUY日で香港ドルを買えば、SBI証券での為替手数料が0円になります。

その他の国の手数料

SBI証券の場合、米国株と中国株以外にも、韓国株式、ロシア株式、ベトナム株式、インドネシア株式、シンガポール株式、タイ株式、マレーシア株式の売買取引を行うことができます。売買手数料は0.9%〜2%、為替手数料は外貨によって異なります。

マネックス証券、外国株の売買手数料最安、NISA口座なら外国株の購入時の手数料無料! NISA口座で米国株を取引するならマネックス証券がおすすめ

マネックス証券の評価と始め方の詳細

米国株・米国ETFの手数料

売買手数料 約定額の0.45% (最低5ドル、最大20ドル)
為替手数料 1ドルあたり0.25円

マネックス証券のNISA口座なら、外国株の購入時の売買手数料が無料になります。SBI証券や楽天証券のNISA口座だと海外ETFの購入のみ売買手数料が無料になりますが、マネックス証券のNISA口座なら海外ETFに加えて米国株、中国株の購入時の売買手数料も無料になります。

基本的にNISA口座で米国株・米国ETFを購入するならマネックス証券が良いです。

NISA口座を国内株の購入にも使っている場合で、米国株・米国ETFを購入する枠がないような場合は、外国株の売買手数料と為替手数料が安いSBI証券がオススメになります。

ちなみに、マネックスの米国株の取扱数は3349銘柄あります。SBI証券は1408銘柄、楽天証券は1312銘柄になります。(2016年3月31日調べ)

主要な銘柄ならSBI証券や楽天証券でもカバーしていると思いますが、マイナーな銘柄の場合、マネックス証券だけがカバーしていそうです。

中国株の手数料

売買手数料 約定額の0.26% (最低70香港ドル、1香港ドル=15円程度)
為替手数料 1香港ドルあたり0.15円

中国株の場合の場合、為替手数料の割合が大きいので、為替手数料を安くできるSBI証券がおすすめです。

楽天証券、とりあえず外国株の売買が出来る

楽天証券の評価と始め方の詳細

楽天証券の場合、マネック証券やSBI証券と異なり、外国株を購入する上での楽天証券の強みというのはありません。外国株を買う場合は、基本的にマネック証券やSBI証券を利用しましょう。

米国株・米国ETFの手数料

売買手数料 25ドル
為替手数料 1ドルあたり0.25円

中国株の手数料

売買手数料 約定額が10万円以下なら500円、10万円以上なら約定額の0.5%(上限手数料5000円)
為替手数料 1香港ドルあたり0.15円

アセアン株の手数料

楽天証券の場合、米国株と中国株以外にも、シンガポール株式、タイ株式、マレーシア株式、インドネシア株式の売買取引を行うことができます。売買手数料は約定代金の1.0%(最低手数料500円)です。為替手数料は外貨によって異なります。

カブドットコム証券、フリーETFで米国ETF、SPDR S&P500 ETF 1557の売買手数料が無料!

カブドットコム証券の評価と始め方の詳細

カブドットコム証券は外貨で購入する外国株は買えませんが、国内に上場している外国株なら購入することができます。国内上場外国株は取引量が少ないので、まともに売買することができない場合が多いです。

ただし、国内上場外国株(米国ETF)のSPDR S&P500 ETF 1557の場合は違います。そこそこ売買があるので、1日数十万円程度の売買なら問題なくこなすことができます。カブドットコム証券の場合、SPDR S&P500 ETF 1557の売買は手数料無料で行うことができます。

松井証券の場合、1日の約定額の合計が10万円以下なら売買手数料が無料になります。ちょこちょこ買ったり売ったりする場合は、松井証券でもSPDR S&P500 ETF 1557を実質手数料無料で取引ができます。

外国税額控除ができない?株式数比例配分方式とSPDR S&P500 1557とJDR(iシェアーズ)とNISA口座の関係

外国税額控除ができない場合があります。この情報はネットでも錯綜しています。さらに証券会社でも間違った回答をする場合が普通にあります。この箇所を書くのに、10回以上、証券会社に問い合わせ電話をかけて、海外ETFの運用会社には問い合わせメールをしました。

NISA口座では外国税額控除はできない

まず最初に、NISA口座で外国株を買うと外国税額控除はできません。これは、外貨で購入する外国株でも、国内上場外国株でもJDR(iシェアーズ)でもNISA口座だと外国税額控除は出来ません。配当の受取方法を、株式数比例配分方式、登録配当金受領口座方式、配当金領収書受領方式でも同じです。

NISA口座は税金とは切り離された口座です。外国で税金が取られた後の配当額がNISA口座に入ってきます。税金という考えがNISA口座にはないので、外国税額控除も適用されません。

総合口座だと、外貨で購入する外国株は外国税額控除が全部出来る

NISA口座ではない普通の証券口座を総合口座と言います。総合口座の場合は、外貨で購入する外国株(外国ETF)の配当や分配金は外国税額控除をすることができます。

配当の受取方法が、株式数比例配分方式、登録配当金受領口座方式、配当金領収書受領方式でも同じように外国税額控除をすることができます。

総合口座だと、国内上場外国株やJDR(iシェアーズ)の外国税額控除に超問題あり!!

総合口座で国内上場外国株やJDR(iシェアーズ)を買うと、外国税額控除で相当面倒なことになります。基本的に、おすすめではありません。

まず、前提は株の取引をしている人のほとんどは、配当の受取方法を株式数比例配分方式にしています。比例配分方式にすることで、株の売買で損が出た場合、配当の利益と損益通算をすることができます。つまり、損益通算ができると、配当にかかる税金20%の負担がなくなります。とりあえず、お得で楽な受取方式なので、ほとんどの人は株式数比例配分方式を選択しています。

この株式数比例配分方式を選択すると、JDR(iシェアーズ)の場合、外国税額控除ができなくなります。

国内上場外国株の場合は、株式数比例配分方式を選択しても適用外になるので登録配当金受領口座方式で配当が届きます。登録配当金受領口座方式や配当金領収書受領方式で配当や分配金をもらうと、JDR(iシェアーズ)や国内上場外国株でも外国税額控除を受けることができます。

JDR(iシェアーズ)や国内上場外国株の場合、なぜ株式数比例配分方式だと外国税額控除ができないかというと、外国で税金が取られた証拠がないからです。

外貨で購入する外国株なら、配当の受け取り方式に関係なく証拠ができるのですが、JDR(iシェアーズ)や国内上場外国株の場合は株式数比例配分方式だと証拠ができないそうです。証拠がないから外国税額控除も受けられなくなります。

国内上場外国株の場合は、株式数比例配分方式にしても強制的に登録配当金受領口座方式で配当が届くので、外国税額控除をすることができません。

結論: JDR(iシェアーズ)で、株式数比例配分方式にしていると外国税額控除はできない

ちなみにJDRで有名なのが、下記のiシェアーズです。

1581 iシェアーズ 先進国株ETF(MSCIコクサイ)
1582 iシェアーズ エマージング株ETF(MSCIエマージングIMI)
1583 iシェアーズ フロンティア株ETF(MSCIフロンティア100)
1587 iシェアーズ 米国超大型株ETF(S&P100)
1588 iシェアーズ 米国小型株ETF(ラッセル2000)
1589 iシェアーズ 米国高配当株ETF(モーニングスター配当フォーカス)
1590 iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF(ダウ・ジョーンズ米国不動産)

少し前まで外国で配当の30%が税金で取られて、日本では20%の税金が取られるという不遇の海外ETFでしたが、少し前に、証券会社へ軽減税率を申請することで外国で取られる税金が10%になりました。

この10%の外国の税金が、株式数比例配分方式にしていると取り戻せない税金になります。

株式数比例配分方式ではなく、登録配当金受領口座方式や配当金領収書受領方式で配当や分配金を受け取れば、iシェアーズでも外国税額控除が出来ますが、株式数比例配分方式のメリット(簡単に損益通算!)を受けられなくなります。

配当金の受け取り方式は、すべての証券会社で共有されるので、iシェアーズだけ登録配当金受領口座方式にすることはできません。保有するすべての株やETFの配当にも登録配当金受領口座方式が適用されてしまいます。

登録配当金受領口座方式や配当金領収書受領方式でも、クソめんどくさい計算をすれば、配当金の損益通算をすることもできますが、めんどくさすぎるので現実的ではありません。

実質的にiシェアーズの外国税額控除は諦めることになります。

SPDR S&P500 1557という例外

話がさらにややこしくなりますが、SPDR S&P500 1557という例外が存在します。これ、証券会社によって株式数比例配分方式でも外国税額控除ができたり、できなかったり?します。

SPDR S&P500 1557は、アメリカのETFです。アメリカを代表する企業500社(S&P500)のインデックスと連動するようにしているETFです。日本でも上場しているので、日本円でSPDR S&P500 1557を買うことができます。

問題は、SPDR S&P500 1557を国内上場外国株として扱う証券会社があることです。見た目はJDR(国内上場外国ETF)と同じように見えるのですが、国内上場外国株として扱う証券会社もあります。

国内上場外国株としてSPDR S&P500 1557を扱うと、株式数比例配分方式を選択していても、登録配当金受領口座方式で配当が届きます。つまり外国税額控除ができます。

すべての証券会社がSPDR S&P500 1557を国内上場外国株として扱っていればいいのですが、どうもJDRと同じように扱っている証券会社もあるようです。ただし、問い合わせに答えた証券会社の人が間違えている可能性もあります。

SBI証券と楽天証券はSPDR S&P500 1557を国内上場外国株式として扱っています。登録配当金受領口座方式で配当が届くので外国税額控除も受けられます。

マネックス証券とカブドットコム証券は、株式数比例配分方式にしていると株式数比例配分方式での配当の受け取りになるという回答をもらったのですが、どうも嘘くさいです。

SPDR S&P500 1557にかかる外国税率は10%です。ずいぶん前は30%だったらしいですが、いつの間にか10%になっています。カブドットコム証券の人は軽減税率は適用されないから30%だと答えていましたが、SPDR S&P500 1557はJDRの軽減税率に関係なく、10%です。

外国税額控除ができれば、この外国税率10%を取り戻すことができます。(ただし、一般的な年収の人の場合は、取り戻せるのは半分くらいです。年収が800万円以上だと、大半を取り戻すことができます)

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